75回目の終戦記念日を迎えるにあたって


【75回目の終戦記念日を前に】

歴史教室では毎年8/15に「平和について語る会」という対話会を企画していました。
今年はやりません。
この一年の間に近現代史の講座を新たに開設したことも大きく影響していますし、
わたしの中には、8/15に平和について考えること自体に拒否感が出てきました。

平和という概念はそもそも平和ではない状況が無ければ成り立たない、
相対的な概念なのではないか。
8/15にそれを行うことによって、より平和を相対化してしまうのではないか。

そのような考えから、企画を凍結し、
75年間積み上げてきた平和とは何だったのかについては、
次の近現代史の講座で振り返りたいと思います。

日本は確かにこの75年で様々な面において豊かさを享受するようになりました。
がしかし、少し前に若くして自ら命を絶った木村花さんについて、
まだうまく言葉にできないでいるのですが、
わたしは、どうしてもそのニュースを受け流すことができず、
わたしだけ、まだ立ち止まっています。

75年かけて築いてきたのは、いったい何だったのだろうか?
結局のところわたしたちはまだ、あの大戦を反省しきっていないのではないか。
日本は平和、平和、というけれど、
一人の若い女性を自殺に追い込む世論はどこで作られてきたのか。
国外では今でもあちこちで紛争が続いていますが、
それらを取り上げるメディアはごくわずかです。
本当にこれが、75年後の姿でよかったのだろうか。

今年の終戦記念日を迎えるにあたり、
歴史教室からはこのような一石を投じ、
平和への祈念といたします。