緊急と重要;漢方の視点から


突然ですが、風邪ひきやすい人っていますよね。例えば冬の時期、3回くらいぶり返すという人の方周りにいませんか?本人としては治ったと思ったのにまた!みたいな感じですね。あなたはいかがですか?


そういうとき、このブログの中で出てくる葛根湯をいくら飲んでも、「風邪ひきやすい」状況は変わりません。この場合、葛根湯を服用するというのはいわゆる「付け焼き刃」です。


風邪引きやすいと言ったって、その場がどうにかなればいいや、そのうち治るから大丈夫だろう、となるのが普通ですよね。わざわざぶり返しちゃうことに対処する人はあまりいないのではないかと思います。


漢方薬を処方するとき考える1つの目安に、急性/慢性という考え方があります。もし目の前の患者さんが急性の症状に苦しんでいたら、まずその症状を楽にする必要があります。

例えば毎回の「風邪を引いちゃったー」に対処するのは、急性。一方、慢性的な視点を持つと、「何でこんな何度も風邪引いちゃうの?」です。大切なのは、緊急と重要という二軸に分けて症状と状況を見てみることです。【緊急・非緊急】軸、【重要―非重要】軸です。


緊急かつ重要な領域をどうにかするのはもちろんですが、緊急ではない重要な領域をしっかり考えていくのが大事なんです。前述の「なぜ何度も風邪引いちゃうのか?」です。こちらのアプローチをしなければ同じことが繰り返されますし、いずれ違う症状が違う形で現れることになります。


急性の緊急度の高い症状をどうにかするのに加えて、急性の症状の後ろにどうも慢性的な何かがあるかもしれない、それは緊急度は低いけれどもかなり重要な要素ではないか?と疑います。正直そこまでしなくてもいいや・・・と治療をやめる方もいると思います。それは一見今すぐ取り組まなくて良さそうに見え、直接それに困らないからです。上の例だと、風邪引くたびに葛根湯なり何なり飲めばいいので。けれどその後ろにある重要な何かに取り組まなければ、いつまで経っても症状は繰り返し解消しません。そればかりか、放っておくと何度も言うように違う形に発展することもあります。


チームでも、同じことが言えます。ミスが頻発する背景には?何度言っても報連相が徹底されないのは?もしかしたら、今講じている対策は付け焼き刃で、根本的な「重要な何か」があるのかも知れません。必要なのはスキル不足を補うための研修ではなくて、チームの中にある、見えていない重要な課題を明確にすることかもしれません。


システムコーチングは、チームの中で繰り返し起こる課題について、根本的な何かにチームメンバーが気づくことを支援します。緊急ではないけれど重要なチームの要素を明らかにし、チームとしてその気づきをどう活かしていくか?を話し合います。

組織をチームとして機能させたいマネージャーの方、一度検討してもいいのではないかと思います。



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