イライラを漢方から考える


イライラすると食欲が止められないっ!という方、結構いらっしゃるのではないかなあ。
イライラすると巡り巡って胃にスイッチが入って、過剰な熱が生まれ、「もっとーもっとー!」と食欲が増します。漢方ではこの状態を「胃熱(イネツ)」と呼んでいます。

胃熱というのは、胃の実熱(ジツネツ)という意味です。
実熱という話は、虚実(キョジツ)の時のおさらいになりますが、

虚・・・足りない
実・・・多すぎ
という意味で使われます。

例えば。
熱が足りない→陽虚(ヨウキョ、一般的に熱虚とは言わない)
熱が多すぎる→実熱(ジツネツ)
みたいに使います。それぞれの言葉の意味は別にして、このような使い方をしながら不足と過剰を表現します。

ということを前に書いたと思いますです。

どうして、イライラと食欲が関係するのでしょうか?

基本的にストレスは五臓のうちの肝に影響し、肝に熱が生まれます。(専門用語が苦手な方、ごめんなさい、)肝陽上亢(カンヨウジョウコウ)と言って、暖かい空気が上へ上へといこうとするように、体内でもその肝の熱は上へと上へと上ります。頭の方へ行き、ついにイライラします。「カッカする」「頭にくる」と言いますね。

ちなみに、肝というのは現代医学の肝臓とは違います。場所も形も機能も今のものとは違うことを念頭に置いて読んでいただけると嬉しいです。まあリンクしているところもなくもないけれど、ストレスを肝が引き受けるとか胃が熱を持つあたり、現代医学では理解できない考え方だと思います。

で、その熱は身体中の色々なところに影響しますが、そのうち胃にも届きます。で、胃に過剰な熱が発生し、もっとくれー!と、いわゆる亢進状態になります。また、普段からそのような生活だと、もともと胃に熱を持ち気味なので、イライラから来る過剰な熱は火に油のようなものです。

ほかに胃に熱を持たせやすいものは、脂っこいもの、アルコール、甘いもの。こういう食事が好きな方(はーい、わたしですが)、気をつけてください。


今日は、単純な漢方のお話でした。

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