組織と感情論


以前わたしの友人から、整体を受けた話を聞きました。特殊な?整体で、○○歳の時の出来事がここのチャクラに影響している、とかそういうやつ。

それはもう驚いたものです。チャクラのことはよく知りませんでしたが、「出来事・イベント」が体に影響を及ぼすなどと思っていないし、しかもそれがもしかしたら随分若い時の出来事だったとしても体がそんなに長く覚えていたなんて考えていなかったからです。そんな整体あるの?!だって、体っていうか記憶を司るのは脳でしょ?という感じ。

そんなこんなで月日が流れ・・そういえば、漢方薬を学んでいた時、病気の原因(病因)となる感情を覚えさせられました。ずーっと前から知識としてそのことを知っていたのに、ここへきてようやくその整体の話を聞いて腑に落ちました。今日はその話。


漢方の、病因考え方の中に、内傷七情(ナイショウシチジョウ)があります。
7つの感情が、体の内側を傷つけますという意味で、病因の1つの種類です。

喜ぶと気が緩む
怒ると気が上がる
思うと気が結ぶ
悲しみ憂うと気が消える
恐ると気が沈む
驚くと気が乱れる

度を超えて、あるいは強烈にこれらの感情にさらされると、わたしたちは病気になる可能性がありますよ〜ということなので日常経験している感情によって病気になるということは基本的にはないです。さらにそれぞれがどの臓腑に影響を及ぼすかというのもありますがここでは割愛します。


組織にいると、感情とは無縁の世界になることが多いような気がします。昔組織に所属していた時のわたしの好きな言葉は「ビジネスライク」でした。「この場に情は要りません」「白か黒かで」「サクサク進めましょうよ、仕事なんだから」みたいなわたしでした。今の自分とは似ても似つかぬわたしです。


わたしのような方はあまりいないかもしれませんが、仕事中は感情のスイッチをオフにしています、という方、結構多いのでは?

しかし、組織も人の集まり。感情が生まれるのは当然です。様々な制度や研修で解決できない問題がある組織においては、上の内傷七情に照らしてみてください。メンバーそれぞれがずっと抱えている感情は何かしら組織に影響を与えます。「ビジネスライクに」抑圧された組織の感情を表出させることもまた、組織マネジメントにおける袋小路から脱出するきっかけになるのではないかな、と思います。


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